• 二之宮大聖、財津大夏、三宅悠介、鳥海不二夫 “C2Cマーケットにおけるコロナ禍でのユーザ行動傾向分析” 情報処理学会 Vol.64 No.4 pp.919-925(04/2023)

    新しい論文が情報処理学会誌に掲載されました.

    http://doi.org/10.20729/00225499

    C2Cマーケットにおけるコロナ禍でのユーザ行動傾向分析

    近年注目を集めているeコマース市場は,COVID-19の流行から急激な成長を遂げている.その中でも個人間取引であるC2C市場の成長は目覚ましい.一方,コロナ禍でのC2Cマーケットの性質を分析した研究は少なく,特に出品者の行動傾向についての理解は進んでいない.本研究では,C2Cマーケットの取引データを用いて,コロナ禍で参入したユーザの行動傾向を調べるとともに,どのようなユーザがC2Cマーケットを継続的に利用するようになったのかを明らかにした.結果として,COVID-19の影響で市場に不足したマスクの取引を目的に多数のユーザが登録した一方で,社会問題となった買い占めはC2Cマーケット上では起こらなかったことが示唆された.また,マスク取引ユーザのうち出品者のみ定着傾向が高いことが明らかとなり,マスク販売が成功体験として定着への機能を果たしていることが示唆された.これらの結果は,たとえ一時的なブームであっても出品者に販売成功の機会を与えるような,流行をとらえた施策設計の有効性を裏付けるものである.